リニューアルされた釜山近現代歴史館
カフェを出たあと、せっかくなので、リニューアルされた釜山近現代歴史館を見学。釜山近現代歴史館の本館(▼)。韓国銀行釜山本部として使われていた建物。
入口には今も 「한국은행」(韓国銀行)の文字が。
裏手には龍頭山公園。釜山タワーがそびえている。
本館1階にはカフェ 「CASA BUSANO」 が入っている。広々として居心地が良さそう。
かつての金庫の厚い扉の奥では、金塊をモチーフにした焼き菓子などを販売している。この
金庫の扉は以前、アートの展示会が開かれたときに見たのを思い出した。
2階の企画展示室は、この日は展示準備中だった。友人によると、建物改修前は窓のある部分(▼)が外壁で、手前のエスカレーターの部分は増築された空間だそう。
3・4階は常設展示室。時間がなかったので、駆け足で見学。
昔、釜山を走っていた路面電車を再現したコーナーも。
乗車時の注意事項がおもしろかった。路面電車の運営権者 「京電」 刊行の 『京電彙報』(경전휘보)10巻4号に掲載されたもので、岸謙という人物が描いた絵だそう。日本語で書かれた文言を抜き出してみると、
・通路に立ちはだかり妨害する
・立て込んだ車内でわざと婦人の方へよつて来るいやな奴
・立て込んだ車内で他人の視線をはばかりながら、しんみりいちやつく新婚夫婦
・かうもり(コウモリ傘)の先端を人の目の先へつきつけて来るオモニー
・荷物で二人分占領
など、今も通用するような内容ばかりで、昔も今も変わっていないんだなあと可笑しくなった。
このハングルバージョンは、 『京電彙報』 の内容を1929年6月3日の東亜日報 に転載したものらしい。
この日は寄れなかったが、地下1階は 「金庫美術館」 として活用されている。
こちらは釜山近現代歴史館の別館(▼)。1929年に東洋拓殖株式会社釜山支店として建てられた西洋風の建物で、日本の植民地からの解放後は米軍の宿舎として使われた。その後、大韓民国政府樹立後はアメリカ文化院、2006~21年は釜山近代歴史館として活用されていた。現在は、展示空間のほか、釜山関連の書籍や資料の並ぶ図書館などが入っている。後日あらためて中に入ってみたい。
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