Busan nikki 2 (2014～)

つづき

周辺はあちこちの壁にいろいろな絵が描かれていた。




「치안올레길」 の表示に沿って周辺を少し歩いてみたが、人気（ひとけ）がないし、道が入り組んでいて見通しが悪いしで、やはり寂しい印象は否めなかった。壁画はたくさん描かれて、恐らく以前よりは明るい印象になったのだろうとは思うが、それでもやはりどこか寂しい感じがする。





「碑石マウル」 と 「甘川マウル」 は目と鼻の先だ。“かたや甘川マウルが連日観光客で賑わっているのとは対照的に、碑石マウルには人（観光客）が来ない。碑石マウルも整備して、甘川マウルの観光客の流れを引き寄せよう” ということで、案内板をつけたり壁画を描いたりしたようだが、期待したような結果はまだ出ていないように感じられた。

もっとも、都市再生の成功モデルとされている 「甘川マウル」 も、誰にとっての成功なのか、果たして住民たちは本当に歓迎しているのだろうか、という点で個人的には少々思うところはあるのだが。

ただ、「碑石マウル」 を整備したことは、犯罪予防という点ではそれなりに効果があるのではないかと思えた。この家は現在空き家で、入口は開かないようにふさがれ、ドアには 「西区－空き家・廃屋」・「立ち入り禁止」・「ここは警察の特別巡察区域です」 と書かれていた（▼）。廃屋が犯罪の温床とならないよう、出入りできないようにしたものだ。


2010年、女子中学生を暴行・殺害し遺体を住宅の水タンクに遺棄した 「キム・ギルテ事件」 が起こったのも、こうした人気のない細い路地だったのを思い出す。あの時も、犯人キム・ギルテ（判決・無期懲役）は犯行後、路地の空き家に身を潜めていた。あの事件以来、いろいろな対策がなされてきた。碑石マウルのように地域の雰囲気を明るくしたり、警察に通報する際、現在位置を正確に伝えられるようところどころに位置番号を設置したり。

つづく