映画 「승부」(勝負)
3月29日、公開されたばかりの映画 「승부」(勝負)を夫と観にいった。西面(ソミョン)のロッテ百貨店10階にあるロッテシネマ本店で9時からの上映回を。早朝割引で1人12,000w。百貨店は開店時間前なので営業時間外用の入口があるはずなのに、なかなか見つからない。
百貨店正面から左手(東)に回ってみると、職員らしき人が 「正面のドアが開いているので入れますよ」 と教えてくれたので再度正面に戻ったが、やはり施錠されている。結局、ウロウロしてロッテホテルのロビーの人が教えてくれたほうへ行くと、百貨店裏手(南)の駐車場の奥に目指す入口があった。目立つところに案内書きもないし、あんな奥まったところにたどり着ける人はまずいないだろう。
やっとロッテシネマに到着。「승부」 やポン・ジュノ監督の新作 「미키 17」 とともに、「劇映画 孤独のグルメ」 のポスターが並んでいた。
「승부」 は、実在でともに現役の棋士チョ・フンヒョンとイ・チャンホを、それぞれイ・ビョンホンとユ・アインが演じているが、ユ・アインは薬物問題のためポスターなど広報からは外れている。作品自体も撮影から4年を経てようやく日の目を見たという経緯があるそうだ。(3月末現在、ユ・アインは第2審で懲役1年・執行猶予2年、罰金200万ウォンの判決を受け、最高裁へ上告)
9歳7カ月でプロに入門し、のちに日本で瀨越憲作に師事したチョ・フンヒョンは、韓国棋院所属のプロ棋士初の九段として知られる。その弟子でありメキメキと頭角を現したイ・チャンホとの師弟関係や師弟対決、二人の心理、葛藤などが実に繊細に描かれている。
チョ・フンヒョンの、弟子イ・チャンホを誇らしく思う気持ちと、自身の地位が脅かされることへの脅威や焦り。イ・チャンホの、師匠のチョ・フンヒョンを慕い尊敬しながらもその師匠を負かさないことには頂点に立てないという厳しい勝負の世界での葛藤。
実在の人物であるゆえ細部にも気を配ったと思うが、イ・ビョンホンとユ・アインというすばらしい役者二人だからこそ、良い作品に仕上がったと思う。脇を固める役者さんたちも名優ぞろい。
主演の二人と同じく囲碁は門外漢だったという監督は、だからこそ、囲碁を知らない人が観ても楽しんでもらえる映画にしたかったと述べていたが、まさにそのとおり。囲碁はまったく知らない私が観ても充分に楽しめた。囲碁をする人ならさらに楽しめるだろう。
たまたまだが、今回はリクライニング席の劇場だったので、とても楽に鑑賞することができた。
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