映画 「침범」
BIFF2本目は김여정(キム・ヨジョン)・이정찬(イ・ジョンチャン)両監督による 「침범」(侵犯)。英語タイトルは 「Somebody」。10月5日16時からロッテシネマセンタムシティで。私の友人の友人が(共同)監督した作品ということで、友人と観にいった。
問題行動を繰り返す幼い娘と、そんな娘に振り回される母親の日常が描かれる序盤から、やがて時は20年後に。特殊清掃業に従事する女性と、彼女の前に現れた正体不明のもう一人の女性。
重く、緊迫した雰囲気のなか、登場人物たちの心理がひりひりと描かれる。物語が進むにつれ、「あれ、この人はあの人ではなかったの?」 と頭の中が混乱する。その混乱を抱えたまま一気に終盤へ。
ラストを含め、一度観ただけでは消化しきれない、重い作品だった。「自分の生を侵犯される人たちの心理とそれを守ろうとする過程を描いた作品」 という監督の言葉をふまえつつ、また自分ならどうしただろうかと想像しつつ、何度も思い返さずにはいられない映画。
俳優さんの演技もすばらしく、特に、さまざまに表情を変えるイ・ソルさんの演技には鳥肌が立った。子役のキム・ソユさんの演技ぶりに、「
곡성」(コクソン・哭声)に登場した子役の김환희(キム・ファンヒ)さんを思い出した。2人ともとてもすばらしい演技なのだけど、一方で、まだ幼い年齢であれだけの演技をこなすのは本人たちにとって負担になりはしないかと、ちょっと心配になるほど。もちろん、充分にケアしながら撮影したのだろうけど。
GVでは両監督と、子役の김소유(キム・ソユ)さん、その母親役の곽선영(クァク・ソニョン)さん、特殊清掃業に従事する女性を演じた권유리(クォン・ユリ)さん、謎の女性役の이설(イ・ソル)さんが登壇。
重い作品だが撮影は楽しく進められたとのこと。話している途中で感極まって涙ぐむ俳優さんもいた。
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