2017年04月13日
キムチポックムパッと “情”
寿安(スアン)人情市場の一角にある “粉食” 食堂 「코코분식」(ココプンシッ)。麺類やスジェビなどの 「こなもん」 だけでなく、ご飯ものなど安くて気軽に食べられるメニューがたくさん並んでいる。
前回はピビムパッ(3,500w)を食べたが、この日は김치볶음밥(キムチポックムパッ・3,000w)を注文。夫は前回と同じくピビムパッを。
店はご夫婦と思われる2人が運営。ご主人は麺類、奥さんはご飯もの、と役割分担して調理している。2人の息はピッタリ。注文すると、「パンチャン(おかず)はセルフなので取ってくださいね」 と声をかけてくれる。カウンターの容器から、キムチとカクトゥギを小皿に取り分けて待つ。
料理をテーブルに出すのはだいだいご主人の役割のようだ。スープのお椀がテーブルの上でスーッと滑りそうになるのにいち早く気付いて 「滑って危ないから下に紙ナプキンを敷いてね」 と声をかけてくれた。客が多くて忙しそうなのに、ご主人も奥さんも細やかな心配りをしてくれる。
キムチポックムパッは期待通りのおいしさ。両面焼きの目玉焼きと韓国海苔、ゴマがトッピングされている。3,000wなので量はやや少なめだが、とてもおいしい。気に入った。
ピビムパッも量は少なめだが、今どき3,500wで食べられる店はあまりないだろう。美味。
店は狭いので、1人客(同性同士)は合席になることが多い。この日も、20代くらいと70代くらいの女性が合席していたようだ。ふと、店の奥さんが70代の女性(ハルモニ)に 「お知り合いの方ですかね。お客さんの分も払ってくれましたよ」 と話しかけた。先に食べ終えて席を立った20代の女性(アガシ)が、ハルモニの分も支払ったらしい。
ハルモニが驚いて入口の方を振り返ると、アガシは笑顔で会釈しながら出て行くところで、ハルモニが 「え、そんな・・・」 と慌てて制止しようとしたが、アガシはそのまま笑顔で立ち去った。
残されたハルモニは困惑した様子で、店のおばさんに 「どうしましょう。どうやってお返ししたらいいのかしら・・・」 と。
店 「おいしくいただいたら、それでいいんじゃないですか? お知り合い?」
ハ 「いえ、初めて会うアガシですよ」
店 「まあ、こういうこともありますよ」
ハ (困惑したように食べながら)「あのアガシはよく来るの?」
店 「いえ、初めての方です」
ハ 「・・・。じゃあ、どうやってお返しすればいいのかしら。私が食べてるスジェビがおいしそうですねって言うから、一口味見させてあげただけなのよ。それなのに・・・」
というやりとりが続いた。代金を払ってあげたアガシの気持ちは本人に聞かないと分からないが、自分のおばあさんを思い出したとか、合席したのも何かの縁だと思ったとか、韓国ならではの 「情」 ということなのか。
店は狭いのでやりとりは筒抜けで、他の客も 「世知辛い世の中も捨てたもんじゃない」 と思ったかどうか、何となく温かい雰囲気が漂った気がした。
코코분식
釜山市東莱区寿安洞386 (東莱区忠烈大路237番カギル26)
前回はピビムパッ(3,500w)を食べたが、この日は김치볶음밥(キムチポックムパッ・3,000w)を注文。夫は前回と同じくピビムパッを。
店はご夫婦と思われる2人が運営。ご主人は麺類、奥さんはご飯もの、と役割分担して調理している。2人の息はピッタリ。注文すると、「パンチャン(おかず)はセルフなので取ってくださいね」 と声をかけてくれる。カウンターの容器から、キムチとカクトゥギを小皿に取り分けて待つ。
料理をテーブルに出すのはだいだいご主人の役割のようだ。スープのお椀がテーブルの上でスーッと滑りそうになるのにいち早く気付いて 「滑って危ないから下に紙ナプキンを敷いてね」 と声をかけてくれた。客が多くて忙しそうなのに、ご主人も奥さんも細やかな心配りをしてくれる。
キムチポックムパッは期待通りのおいしさ。両面焼きの目玉焼きと韓国海苔、ゴマがトッピングされている。3,000wなので量はやや少なめだが、とてもおいしい。気に入った。
ピビムパッも量は少なめだが、今どき3,500wで食べられる店はあまりないだろう。美味。
店は狭いので、1人客(同性同士)は合席になることが多い。この日も、20代くらいと70代くらいの女性が合席していたようだ。ふと、店の奥さんが70代の女性(ハルモニ)に 「お知り合いの方ですかね。お客さんの分も払ってくれましたよ」 と話しかけた。先に食べ終えて席を立った20代の女性(アガシ)が、ハルモニの分も支払ったらしい。
ハルモニが驚いて入口の方を振り返ると、アガシは笑顔で会釈しながら出て行くところで、ハルモニが 「え、そんな・・・」 と慌てて制止しようとしたが、アガシはそのまま笑顔で立ち去った。
残されたハルモニは困惑した様子で、店のおばさんに 「どうしましょう。どうやってお返ししたらいいのかしら・・・」 と。
店 「おいしくいただいたら、それでいいんじゃないですか? お知り合い?」
ハ 「いえ、初めて会うアガシですよ」
店 「まあ、こういうこともありますよ」
ハ (困惑したように食べながら)「あのアガシはよく来るの?」
店 「いえ、初めての方です」
ハ 「・・・。じゃあ、どうやってお返しすればいいのかしら。私が食べてるスジェビがおいしそうですねって言うから、一口味見させてあげただけなのよ。それなのに・・・」
というやりとりが続いた。代金を払ってあげたアガシの気持ちは本人に聞かないと分からないが、自分のおばあさんを思い出したとか、合席したのも何かの縁だと思ったとか、韓国ならではの 「情」 ということなのか。
店は狭いのでやりとりは筒抜けで、他の客も 「世知辛い世の中も捨てたもんじゃない」 と思ったかどうか、何となく温かい雰囲気が漂った気がした。
코코분식
釜山市東莱区寿安洞386 (東莱区忠烈大路237番カギル26)
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Posted by dilbelau2 at 09:01│Comments(2)
│韓定食・定食類
この記事へのコメント
毎日Busan nikki 楽しみにして拝読させてもらっています。
今回は2年半ぶりの釜山です。
今ビートルで向かっています。15日まで滞在する予定です。
明日は晋州に日帰りで行って来ますが、その他の時間はBusan nikkiでみた、美味しそうな店を探しながら釜山の街をブラブラしようと思っています。
今回は2年半ぶりの釜山です。
今ビートルで向かっています。15日まで滞在する予定です。
明日は晋州に日帰りで行って来ますが、その他の時間はBusan nikkiでみた、美味しそうな店を探しながら釜山の街をブラブラしようと思っています。
Posted by 古川 哲 at 2017年04月13日 09:47
古川 哲 さま
いつも読んでくださって、ありがとうございます。
励みになります。
楽しいご旅行になりますように!
いつも読んでくださって、ありがとうございます。
励みになります。
楽しいご旅行になりますように!
Posted by dilbelau2 at 2017年04月13日 10:09