2017年07月08日
絵本の出版記念会 10
つづき
絵本 『할아버지 집에는 귀신이 산다』(おじいさんの家には幽霊が住んでいる)の出版記念会が開かれるのは、峨嵋文化学習館地下1階の図書館。京畿道坡州(パジュ)市にある出版社・꿈교출판사(クムギョ出版社)の関係者や、碑石マウルの住民、絵本作家の卵など、大勢が集まっていた。
定刻の15時にスタート。まずは住民の男性(?)のアコーディオン演奏から。見事な腕前で何曲か披露された。演奏に合わせて住民が歌を歌う場面も。
司会進行はクムギョ出版社の황수경(ファン・スヒョン)代表。着席しているのは作者の이영아(イ・ヨンア)さん。
ヨンアさんが、碑石マウルに何度も足を運び、住民に話を聞いて絵本の準備をした様子を写真で紹介。
続いて、ヨンアさんによる絵本の朗読。画面に映し出した絵に合わせて。
峨嵋洞が属する西区の区庁長による挨拶。
続いて、釜山大学韓民族文化研究所のチャ・チョルク教授を交えてのブックトーク。ちなみに、お揃いのバナナ柄の服を着た女性たちはマウルの住民。近々あるマウルのお祭りで出し物を披露するそうで、この日はその練習のため衣装を着ていたのだそう。
チャ教授は 「峨嵋洞は、植民地時代の良くない感情が消え、隣国としての情が生まれる空間だ。2人の主人公を通して未来の希望が語られているこの絵本は、大きな価値がある」 などと話した。
作者のイ・ヨンアさんは、「最初は単に、碑石や共同墓地というモチーフにひかれて、このテーマを選んだ。実際にマウルに何度も足を運んで住民に話を聞いているうちに、住民の方々から感じた温かい気持ちも表現したいと思うようになった。」 と話した。
住民から聞いた話として、
朝鮮戦争の戦火を逃れ、取るものもとりあえず釜山に避難してきた。差し当たって雨風をしのぐ場所を確保しなければならないが、建材もなく、碑石などを利用しながら家をつくって墓地で生活するようになった。墓だと分かっていて、その上に住むのは心苦しかったが、当時は他に方法がなかった。また、祖国に帰れず、異国の地に眠ったままの墓の主(日本人)を気の毒にも感じた。自分たちも、避難は一時的なものだと思っていたのに、結局そのまま故郷(北朝鮮)に戻れなくなってしまった。お互いに故郷を失った 「失郷民」 という点で、墓の主に共感するところもある。そのため今も、共同墓地に眠る日本人の霊を慰めている。
などのエピソードを紹介してくれた。
住民や碑石マウルから感じる温かさを描いたという絵本は、実際にほっこりとした読後感を残す。北から避難してきたおじいさんと対馬出身の日本人の 「幽霊」 の交流。何度読んでも、また読みたくなる癒し系の絵本だ。
釜山大学建築学科のウ・シング教授は、「碑石マウルは韓国人にとっては生活の場。一方、日本人にとっては(自分たちの先祖の墓石が残っているという点で)愛着がある空間。このように韓国人と日本人では碑石マウルのとらえ方が異なるが、この絵本ではマウルの存在がうまく描かれたと思う。日本語でも出版されて、よりよい韓日関係のために役立てばと思う」 などと話した。
つづく
絵本 『할아버지 집에는 귀신이 산다』(おじいさんの家には幽霊が住んでいる)の出版記念会が開かれるのは、峨嵋文化学習館地下1階の図書館。京畿道坡州(パジュ)市にある出版社・꿈교출판사(クムギョ出版社)の関係者や、碑石マウルの住民、絵本作家の卵など、大勢が集まっていた。
定刻の15時にスタート。まずは住民の男性(?)のアコーディオン演奏から。見事な腕前で何曲か披露された。演奏に合わせて住民が歌を歌う場面も。
司会進行はクムギョ出版社の황수경(ファン・スヒョン)代表。着席しているのは作者の이영아(イ・ヨンア)さん。
ヨンアさんが、碑石マウルに何度も足を運び、住民に話を聞いて絵本の準備をした様子を写真で紹介。
続いて、ヨンアさんによる絵本の朗読。画面に映し出した絵に合わせて。
峨嵋洞が属する西区の区庁長による挨拶。
続いて、釜山大学韓民族文化研究所のチャ・チョルク教授を交えてのブックトーク。ちなみに、お揃いのバナナ柄の服を着た女性たちはマウルの住民。近々あるマウルのお祭りで出し物を披露するそうで、この日はその練習のため衣装を着ていたのだそう。
チャ教授は 「峨嵋洞は、植民地時代の良くない感情が消え、隣国としての情が生まれる空間だ。2人の主人公を通して未来の希望が語られているこの絵本は、大きな価値がある」 などと話した。
作者のイ・ヨンアさんは、「最初は単に、碑石や共同墓地というモチーフにひかれて、このテーマを選んだ。実際にマウルに何度も足を運んで住民に話を聞いているうちに、住民の方々から感じた温かい気持ちも表現したいと思うようになった。」 と話した。
住民から聞いた話として、
朝鮮戦争の戦火を逃れ、取るものもとりあえず釜山に避難してきた。差し当たって雨風をしのぐ場所を確保しなければならないが、建材もなく、碑石などを利用しながら家をつくって墓地で生活するようになった。墓だと分かっていて、その上に住むのは心苦しかったが、当時は他に方法がなかった。また、祖国に帰れず、異国の地に眠ったままの墓の主(日本人)を気の毒にも感じた。自分たちも、避難は一時的なものだと思っていたのに、結局そのまま故郷(北朝鮮)に戻れなくなってしまった。お互いに故郷を失った 「失郷民」 という点で、墓の主に共感するところもある。そのため今も、共同墓地に眠る日本人の霊を慰めている。
などのエピソードを紹介してくれた。
住民や碑石マウルから感じる温かさを描いたという絵本は、実際にほっこりとした読後感を残す。北から避難してきたおじいさんと対馬出身の日本人の 「幽霊」 の交流。何度読んでも、また読みたくなる癒し系の絵本だ。
釜山大学建築学科のウ・シング教授は、「碑石マウルは韓国人にとっては生活の場。一方、日本人にとっては(自分たちの先祖の墓石が残っているという点で)愛着がある空間。このように韓国人と日本人では碑石マウルのとらえ方が異なるが、この絵本ではマウルの存在がうまく描かれたと思う。日本語でも出版されて、よりよい韓日関係のために役立てばと思う」 などと話した。
つづく
この記事へのコメント
動画で作者さんの朗読が聴けて良かったです!
日本語版ができて、たくさんの日本人にも読んでもらえるといいですね!
日本語版ができて、たくさんの日本人にも読んでもらえるといいですね!
Posted by あき at 2017年07月09日 18:01
あき さま
日本語版出版の知らせはまだ入ってきませんが、ぜひ実現するように願っています!
日本語版出版の知らせはまだ入ってきませんが、ぜひ実現するように願っています!
Posted by dilbelau2 at 2017年07月09日 20:45