2021年10月27日

태일이

BIFF6本目はホン・ジュンピョ監督の 『태일이』(テイリ)。CGVセンタムシティで。

태일이

実在の人物、全泰壱(チョン・テイル)の人生を描いたアニメーション。チョン・テイルは1948年大邱(テグ)の貧しい家の生まれ。父は裁縫師として働いていたが詐欺に遭い、一家でソウルに移り住む。テイルは17歳で平和市場の裁縫工場に就職し家計を支えるが、劣悪な労働環境で一日に16時間も働く工場の女工たちの様子に心を痛め、労働条件改善のために奔走する。

だが彼の訴えは聞き入れられず、仲間たちとデモを計画する。しかし事前に察知した警察に阻止され強制解散させられそうになると、テイルはその場で 「政府は労働基準法を遵守せよ」 と叫びながらガソリンをかぶって焼身自殺を図る。病院に搬送されたがその夜、死亡する。22歳。

病院で付き添っていた母親に自分が成し遂げられなかったことをきっと成し遂げてほしいと言い残した言葉や、それに応じる母親の言葉まで、細部まで事実に忠実に描かれているようだった。実際に母親は彼の遺志をついで労働運動を始めたそうだ。

結末を知っているだけに見ていて非常に胸が痛んだ。年若き女工たちが自分の幼い妹に重なって見えたのだろうか。このことをきっかけに労働運動が再び活発になったそうだ。

今もさまざまな分野の労働者がデモや集会をする様子を時々ニュースで(実際にも)目にする。チョン・テイルのころよりはもちろん労働環境は改善されているはずだが、特に宅配の配達員の過酷な労働条件やそれによる過労死は何年も前からずっと問題になっている。韓国はもともと宅配文化が発達しているうえにコロナでさらに宅配サービスの利用が増えた。宅配に関わる仕事は今や社会に欠かせないものとなっているだけに、従事者の労働環境が早期に改善されることを願う。

映画の人物の声は、チャン・ドンユン(テイル)、ヨム・ヘラン(テイルの母)をはじめ、チン・ソンギュ(テイルの父)、クォン・ヘヒョ(ハンミ社社長)、パク・チョルミン(裁断師シン氏)など実力派俳優たちが担当している。



同じカテゴリー(釜山国際映画祭)の記事
映画 「金子差入店」
映画 「金子差入店」(2024-12-15 09:07)

映画 「3학년 2학기」
映画 「3학년 2학기」(2024-12-14 20:21)

나의 아저씨
나의 아저씨(2024-12-14 09:07)

映画 「침범」
映画 「침범」(2024-12-10 09:24)


上の画像に書かれている文字を入力して下さい
 
<ご注意>
書き込まれた内容は公開され、ブログの持ち主だけが削除できます。

削除
태일이
    コメント(0)